あの日から5年・・僕らは何を彼女の瞳に映せたのだろう?

 

 

彼女に出会ったのは

 

2011年4月18日。

 

宮城県石巻市

 

勢いに任せ 僕は車に思いつく道具すべてツッコんで

 

石巻の あった事もない「佐久間令」という男の家を目指した。

 

そこで僕は 彼の家の軒先を借りて 髪を切りまくった

 

 

 

 

その時 彼女に出会った。

 

名前は

 

佐久間こころ。

 

記憶に間違いがなければ

 

僕が髪を切っている時

 

生まれて初めて 立って歩いたと記憶している。

 

 

 

 

そんな彼女も

 

先日 小学校1年生になった。

 

 

 

 

会うたびに 大きくなり

 

言葉を覚え はにかむようになり

 

今では 小学生・・

 

 

 

 

「あれから5年ですよ・・」

 

 

佐久間さんからそうメールが来た。

 

 

 

 

 

3・11の震災特集での テレビやメディアの 当時をふりかえる特番や記事よりも

 

そのメールに この写真に 時間の流れを感じた。

 

 

そう

 

あれから5年

 

佐久間さんに出会ったのも

 

2011年4月18日

 

まさに

 

5年目になる。

 

 

 

 

 

 

屈託のない笑顔・・

 

 

 

 

 

 

 

僕ら東日本大震災ボランティアグループ・cocoroの名前の由来

 

それが 彼女 こころ

 

 

 

 

初めて会った時

 

彼女の家の周辺は 津波で汚水が町中に溢れたため

 

疫病予防の為に石灰がまかれ そこかしこが白くなっていた。

 

 

 

彼女に家から 少し裏手の公園には

 

うず高く積み上げられた 水につかった

 

布団 テレビ 家具・・様々なものが あちらこちらにあった。

 

 

 

 

海の方に行けば 街は破壊され ヘドロが足にまとわりつき

 

ひっくり返った車 焼けただれたり 骨組みだけの家・・

 

ビルに突き刺さる船 転がる大型重油タンク 

 

そして 人の絶えた 廃墟・・・

 

 

 

 

桜が咲いていた 2~3輪

 

寒風に弄ばれていた。

 

 

春の芽吹き 息吹と言うよりは

 

絶望をさらに感じさせるような 桜。

 

 

 

 

 

 

僕は思った。

 

復興の証ってなんだ?

 

何をもって復興と言えるのか??

 

 

 

 

その答えは こころ・・彼女だった。

 

 

 

 

やっと歩き始めた彼女

 

その彼女の目に映る景色 人の心 街・・

 

それが 少しでも美しいものであること

 

美しく感じれるものであること

 

それが 復興なんじゃないか?

 

俺たちは それをして行かなくちゃならないんじゃないか?

 

こころや子供たちに 大人が手渡すべき「希望」「未来」

 

それが 復興なんじゃないか?

 

 

そう思って 僕らのグループは cocoroを名乗っている。

 

 

 

 

 

俺たちは

 

5年の間

 

こころに 

 

子供たちに

 

どんな景色を見せることが出来たのだろう?

 

 

 

その想いを胸に

 

5年目の石巻にいます。